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九十八年秋仕入旅編

今回の旅の第1の目的は、婚礼セットの産地府中市のメーカーを訪ね新作の仕入れと傾向の勉強です。今年の秋のその一帯(中国・四国地方)の展示会は、11日の福山市と府中市・12日の高松市・徳島市と続きます。この一帯を子供を連れて2泊3日の旅です。

1日目 2日目 3日目


1日目(98.11.11)

出発です

午前1時10分 メーター0km

ode.jpg (3029 バイト)98年11月11日ぞろ目のよき日の事でした。午前2時に出発の予定が、思いのほか早く目が覚め、1時10分にオデッセイ(以下オデ)のメーターをゼロにし出発です。
 今日の目的地は広島県の福山市から府中市。宿泊地は瀬戸大橋に一番近い都市倉敷市です。ゼンリン電子地図帳で調べると約800kmの旅。予定では8時間の行程です。
 ode2.jpg (2542 バイト)四姉妹の下2人を連れていくために万全の装備をオデに仕込みました。といってもテレビデオを積んだだけですが・・・。これが思いのほか効果有りでした。普通なら「あと何分けーー?」「まだ着かんがーー?」攻撃が10分毎に繰り出されるのですがこの間隔が二時間に延びました。
 自宅を出てから50分、能登有料道路大津インターを過ぎたあたりで3女美咲が車酔状態から袋にゲボを吐く。おいおいちょっと早すぎるゾーー。

ひたすら走る

午前3時00分 北陸自動車道 徳光ハイウェイオアシスで休憩

午前4時00分 北陸自動車道 敦賀IC付近 250km

午前4時25分 北陸・名神米原ジャンクション通過 304km

午前5時00分 名神自動車道 瀬田IC付近通過 370km

午前5時25分 名神・中国 吹田ジャンクション通過 425km

さらに走る

午前5時40分 中国道 西宮名塩PAで休息 441km

このあたりで東の空が明るくなってきた。
3番美咲はビデオ4番芙美は寝ているので、親二人だけ下車。子供達はパジャマのままなので、車から外出禁止。人々は、朝食としてパンやラーメンを食べている。でもこの時間にラーメンはもたれそう。でもみんななんか食べているので、わたし達は名物ミンチカツとコロッケとを買う。子供達にも、アメリカンドックを買う。

出発してから4時間30分で西宮は早い。
鈍行列車だと宇出津から金沢まで3時間はかかる・・・。

午前5時55分 西宮名塩PAで給油し出発 441km

さっきのアメリカンドッグは、作ってから時間が経っていたようだ。美咲が「なんか苦いからいらない」というので食べてみると、なるほどなんかおかしい一瞬嫌な予感を感じる。

未知の道

午前6時00分 中国・山陽 神戸JCT通過 450km

yoake.jpg (1916 バイト) オデには純正のカーナビがついている。が、このナビには神戸JCから山陽道・姫路ICまでのデータが入っていなかった。高速道の案内板を見て山陽道に入ったのだが、ルートが違いますと言われる。未知の道で一瞬事態が把握できずあせりまくる。ナビは道なき道のあさっての方向に進んでいる。このままだと明石大橋に行ってしまう。そこをとおるのは徳島の帰りのあさってだ。しゃあない、明石で降りて姫路まで国道使おうとあきらめる。
 が、三木JCTで岡山の案内があり、この道が正しかった事を知る。途中のICで降りて戻らなくてよかった。

いやな予感が

午前6時40分 山陽道 白鳥SAでトイレ 511km

hakucho1.jpg (3590 バイト)美咲が「おなかが痛い」と言い出す。「やっぱり。さっきのアメリカンドックだ・・・。」さっきの嫌な予感があたったようだ。あのアメリカンドックは作ってから相当時間が経っていたように感じた。揚げて保温をし、そのまま干からびたような食感だった。待つ・・・・・・・・。単なる朝のウンコタイムのようでした。トイレからスキップして出てくる美咲はいたって元気、人の心配を屁とも思っていないようだ。
ホッとし、外はすっかり明るいので、娘達を着替えさせる。隣のトラックの運ちゃんは、子供が好きなのかスキップして出てくる娘達をにこにこ見ている。着替えも見てた。

午前6時55分 白鳥SA出発 511km

午前7時15分 福石PA(岡山県)で運転交代 549km

岡山県にも入ったことだし、車も少ないし、少し休んでおこうと女房に運転を変わる。

午前8時00分 道口PA着 620km

momo.jpg (3953 バイト)岡山ならやっぱり「きびだんご」でしょ。ということで「きびだんご」探しにPAへ入る。
きびだんごってイメージ的には、もっとボソボソした感じを持っていたが、どうも違うらしい。きびだんごのキビは「黍」なのか「吉備」なのか?スーパーに売っている北海道名物の「きびだんご」のほうが私のイメージだ。
PA内の小公園には・・・・。いました御影石の桃太郎が。鬼の頭に乗っている。さっそく子供を誘い写真を撮る。ここの桃太郎の子分はどうみても猫・猿・にわとりに見える。

午前8時20分 道口PA出発 620km

芙美指をはさむ

午前8時30分 篠坂PA着 639km

kame.jpg (3125 バイト)この調子だと9時には福山会場に着いてしまう。ちょっと早いかなとPAに入る。
さっきは桃太郎だったが、ここではなぜか「亀」と「うさぎ」がいる。「なぜ?」と聞かれる。「うさぎと亀はここのお話だったのだ」と苦しい回答をする。
「さぁ行こう」と車に乗ろうとした時・・・・・・。
「痛ぁーーィ。ビェーーーン」と芙美の泣き声。「芙美、指はさんだーぁぁ」美咲がドアを閉めた時芙美の指をはさんだようだ。見ると右手の中指と薬指の第一関節部分が剥けている。「やばぁーー。折れたかなぁ」と親あせる。「動かしてみぃ?」「痛ぃぃぃぃ。」「おい保険証もっとるか?」「ある」「とにかく次が福山やから、高速降りよう。」と会話。と、意外と早く泣き止む。「フーちゃん。指、曲げてみ。」「うん」「大丈夫?」「大丈夫。」一安心でした。

午前8時40分 福山東IC着 647km

福山会場到着

午前9時00分 福山会場到着 651km

fukuyama.jpg (4879 バイト)家を出発してから約8時間、651kmの行程で本日最初の目的地「広島県立福山産業会館」に到着。なんか小さい会場ぅ。こっちとら能登から8時間もかけて来たんだぜ。もっと大きくドンと構えた会場を用意しとけよぉ。と印象です。今回のこの会場は「福山・岡山県・島根県・鳥取県家具合同見本市」ということで4県のメーカーさんが出展しています。所在地の福山以外の広島県関係は独自で広島市で見本市をやってます。府中の展示会に来る人達の便宜を図って広島に広島以外のメーカーがここで見本市をやっているのです。裏返せばそれぞれの県でやっても人が集まらないので・・・。が本音でしょう。でもいろいろあって楽しいです。
ここでは、婚礼・収納セットや応接・ダイニング関係。特に婚礼セットメーカーは、府中もいいけどうちのはもっといいよぉとアピールしなければなりません。それぞれ新作をここぞとばかりに展示しています。中での撮影は許可をとってからが原則ですので、むやみやたらパチパチやれせん。メーカーの動向は会場でもらう見本市新聞を読めば傾向が読めます。いろいろ気に入ったものがあり注文してきましたが、うちの信用調査が終わってから届くでしょう。届かなかったりして・・・。

午前12時頃 福山会場出発

途中ファミリーレストランで昼飯を食る。店の選択条件は、お子様ランチのある所。この頃から、時間と距離のチェックをしていない。なんとか効率良く見てまわり、子供の時間を作ってあげようと思う。予定では午後5時すぎには倉敷に着きたいと考える。

府中会場へ

午後1時頃 府中会場到着

fuchu.jpg (6490 バイト)本日2ヶ所目の目的地「府中家具協同会館」に到着。さすが産地です。府中家具工業協同組合として独自のりっぱな会館を持っています。ここはしっかり儲けているなぁと印象。この会場は「府中家具新作展示会」ということで、1階から3階までの約1500坪ほどの全館を使い組合加盟の各社がそれぞれブースを切り、自分のとこの商品を展示しています。ここでは府中のメーカーを一同に見れるということで、それぞれの家具の作りなどを比べるのに役立ちます。引き出しをちょっとあけて見て傾向が見れます。デザインがいいのだけど、仕口がいまいちだなぁとかあったりします。大きなメーカーはここでは斬新な商品はなかなかださないようです(駐車場のおじさん談)。とりあえずここへ来て、待っているメーカーの人に各個展会場への送ってもらう足として使ってもらうようです。反対に小さなメーカーはここで一生懸命アピールします。ですから、小さいメーカーほど意欲的な商品が目に付きます。さぁ、回るメーカーのめどがたったので、これからメーカーまわりです。

午後2時〜5時すぎ 府中市内各メーカーまわり

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府中市内には、組合に加盟しているメーカーが大小35社くらいあります。地図を見て目指すメーカーまで行くのですが、「おいおい。こんな狭いとこ行くんかい?」とか「おっと間違えた。Uターンもできんがい。」とかいった具合で、街の中の道路は昔のままのようです。ナビに目指すメーカーすべてにマークしたからよかったものの、そうでなかったらとても自力では行けないくらいです。
結局9メーカーを回りました。子供達は、「またタンス屋さんやぁ」「あといくつけぇ?」「もういい、車でドラエモン見る」となり、トイレに降りるとき以外は「カギっ子」ならぬ「車っ子」となってしまいました。
とてもとても予定の5時なんかには終わらず、予定の分を終わったときには、すっかり日も落ちておりました。
「府中は九州や名古屋のメーカーと違って、規模も大きいから、そうそう銀行さんも手を引けないから大丈夫なんです。」とか言っていた営業さんもいましたが、そんなに市場は甘くありません。婚礼セットの需要は、全国的に年々落ちてきています。府中の家具といったブランドイメージを維持しながら、いかにそのニーズにあわせていくのかをしっかりと見ていきたいと感じました。
おおっ、まじめだぞ俺。

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倉敷へ

午後5時20分頃 府中から倉敷へ

usagi.jpg (2810 バイト)すっかり空も暗くなってきました。最後のメーカーで、ここから倉敷まではどれくらいかかるかと聞いたところ、5時過ぎのこの時間は、高速道の乗り口まで渋滞するから1時間位かなと教えてもらう。このままだとチボリ公園へは6時過ぎだと計算する。途中晩飯を食べていると時間がなくなるからとお菓子を食べさす。朝に通ったうさぎの篠坂PAで写真を撮る。ここでの下車は芙美のうんこたれの為でした。暗いのでうさぎがモグラに見える。ちょうどこの頃心配してくれた二田奥さんから電話がかかる。その時点で午後6時30分。渋滞がおもったよりきつい。インターネットで調べたチボリ公園の11月11日の閉園時間は夜8時。たとえ1時間でも遊ばせてやりたい。

倉敷チボリ公園

午後7時10分 倉敷チボリ公園着

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チボリ公園についたのは午後7時10分。午後5時過ぎの入場は、イブニングチケットがあります。子供は保育園児2名と私達なので、2000円で済みました。イルミネーションに飾られた公園は、なかなかのものです。1時間は遊べるとおもっていたのですが、アトラクション券を買いにブースに行くと、アトラクションは閉園30分前から順次終わるんだと・・・・。なんということだ、ここからが時間との勝負です。メリーゴーランドに乗って。コーヒーカップに乗せて、あと「小さい子の乗れるアトラクションは?」とお姉ちゃんに聞くと、「奥の方にある自動車と観覧車位かなぁ」と聞く。(正式なアトラクション名なんか覚えていません。)走れーです。途中「お腹空いた」と言う芙美を抱えて自動車へ。ほら見たことか終了の看板です。「終わりやてぇ」ととぼとぼ歩く親子連れに係りのお姉ちゃんよほど肩が落ちて見えたのでしょう近づいて来て「どちらからお越しですか?」と聞いてきました。「石川県です。明日は来れないのです。」と答える妻。「じゃあ。どうぞ」と言ってくれるじゃありませんか。その為に消えていたイルミネーションを全部点けてくれます。動き出すとまたお客さんが来ます。気の毒で、申し訳なくて、感謝し手まで合わせてお礼を言いました。なかなかいいぞあのお姉ちゃん。すごい美人に見えました。で、満足して最後まで動ている観覧車へ。これも最後から2組目です。出るとき照明のきれいな噴水の前で写真を撮りましたシャッターを押す直前に噴水は止まり、電気が消えました。

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ホテルハイザ倉敷へ

午後8時30分 ホテルハイザ倉敷着 761km

bas.jpg (4452 バイト) 本日の宿泊地ハイザ倉敷に到着です。料金は倉敷でも高いホテルで、一人18000円からです。こりゃ高いと選択枝から一瞬のうちにはずれたホテルでしたが、「インターネットじゃらん」で見るとじゃらんプランとかに載っていました。予約時に「じゃらんで見ました」と告げると一人11000円になると書いてありました。さらに気に入った所は、バス(風呂)が広いとのこと。10月に太田市まで配達に行った時のサンルート太田で狭いユニットバスは懲りましたので風呂は広いに限ります。

 ホテルで紹介してもらった焼肉屋さんでたらふく食べて戻ってくる。

 さぁ、子供を風呂にいれて寝かそう。とカランをひねる。「ねぇーー。お湯出ない。」「ダッラやなぁ。ザイゴのモンてが、使い方知らんげんろ。」「どら、みしてみぃ。・・・(いろいろやってみる)・・・・・・・わからん。」「んーー。トイレの水も出んぞ」「フロントに聞いてみいま。」フロントへ電話「すいません、お湯がでないんですか・・・。」「申し訳ありません。今一生懸命直しております。復旧次第お電話いたします。」ゲーーーです。子供はもう眠い目をこすってます。そりゃないだろです。

 お湯は出ないし新聞でも見ようかと部屋にあった山陽新聞夕刊を見ていました。

shinbun.jpg (6532 バイト)倉敷で民家3棟全半焼(一人死亡)
十一日午前三時頃倉敷市阿知三丁目10の41、乾物商○○さん(65)方一階から出火。木造二階と、西隣の同三丁目10の40、○○さん(90)方の二棟を全焼。東隣の同三丁目10の41、ミシン卸業○○さん(41)方二階部分の居室部分を焼いた。焼け跡から父親の○○さん(85)とみられる男性の焼死体が見つかり、倉敷署で確認を急いでいる。(中略)
現場はJR倉敷駅から南西約3百メートルの住宅密集地。

近くです。泊まったホテルの住所は阿知三丁目21の19。窓から下を見てみました。なんかすぐ下の空き地らしき所に青いビニールシートが見えます。またまたゲーです。「おーーい。昨日泊まった人大変だったろなぁ」「なんで?」「この下で夜中の3時に火事あってんて。んで、一人死んでんて」「えーー。なんで。」「新聞に書いてある。」新聞を見る女房。こんな事に特に弱いのです。あの人は。「ぎゃーー。そやさかいお湯出んげんわぁ。」なんでも想像してくっつけてしまう脳細胞なのです。見なきゃいいのに窓をのぞきます。「うぁーー。ぜったいそーやわぁ。」「あっ、あのビニール間違いないわぁ」とぎゃーぎゃーわめいています。

そうこうしているうちにカランを閉め忘れていた蛇口からお湯がでました。
ゲボッ、ゴロッ、ゲボッ、ジャーー。
「でたでた。」「でも茶色い。。」と風呂でさわいでます。
「そりゃそーだ。じいさんの血だ。」と言った私の声は聞こえていなくてよかったようです。

※次の日、ビニールシートの場所はと見ると、そこは火事場ではなく、雨漏りでもするのかなんか古いガレージのようでした。実際の火事の場所はと、ホテルのお姉ちゃんに聞きましたがまともに答えてくれませんでした。しかし、近い事は事実のようです。

次の日へつづく


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